森見登美彦「夜行」

これまで、四畳半に住む腐れ大学生が出てくるのとか、タヌキとか、ペンギンとか、明るめのだけを読んだことがある。

これはまた系統が違う。とも思ったのだけれど、四畳半ですったもんだした挙げ句恋が成就する世界の、裏の世界の話と考えられなくもない。

以下ネタバレの考察と疑問。

【なぜ夜行は繰り返すのに曙光は一度なのか】

曙光の世界の岸田は尾道で長谷川に会ったのは、不気味な夜、次は早朝。この早朝に出会っていなければ夜行の世界に行ってしまうのではないか。だからこれが唯一無二の曙光なのだ。

【ちょっとした疑問】

曙光の世界で主人公が話した中井さんのエピソードを、中井さんはどうしてそんなことを知っているのかと驚く場面がある。でも曙光の世界ではそのエピソードは存在しないんじゃないんですかね…